2022年 農林水産物・食品の輸出額が過去最高を更新

2022年 農林水産物・食品の輸出実績が1兆4,148億円と過去最高を記録

農林水産省の報道発表資料で『2022年の農林水産物・食品の輸出実績』が掲載され、2022年1-12月の輸出実績は、1兆4,148億円と過去最高を記録しました。昨年2021年の実績は1兆2,382億円と初めて1兆円代を突破し、業界では盛り上がりをみせていたことが記憶に新しいですが、(足元の円安傾向という流れはありながらも)10年前の2012年の実績4,497億円と比べて2022年には約3倍に達しているため、日本の農林水産物・食品の海外輸出の可能性を強く感じます。

詳細については農林水産省のHP内に資料が掲載されていますのでそちらをご参照ください。

※農林水産省の報道発表資料『2022年の農林水産物・食品の輸出実績』

農林水産物・食品 国別輸出額順位

2022年農林水産物・食品の輸出実績について、国別の輸出額を1-10位の順で並べた表に諸情報を追加したものが下記の通り。

参照:2022年6月 JETRO農林水産物・食品 国別マーケティング基礎情報(輸出額については2022年通年の実績)

全般的に輸出額が大きく伸びている背景として、多くの国と地域でコロナによる落ち込みから回復したことに加え、外国人旅行者によるインバウンド需要も復活していることから外食向けの需要が堅調であった模様。更に円安の影響により、相対的に日本産品に追い風が吹いたことで輸出総額を押し上げていたと考えます。

輸出順位でも例年、意外に思われることがベトナム向けの順位。日本の農水産品輸出相手国としてベトナムは(なんと)世界5位という位置付け。他の先進国がいる中、ベトナム向け輸出は毎年増加している(2012年実績が215億円であるため、この10年間で3倍超増加)。実際のところ、ベトナムでは日本向けに加工・再輸出される水産品の委託加工分の物量が大きいため、一概に全ての輸出実績の数字がベトナム国内で消費されるものではないことに注意が必要です。その一方でベトナム向け輸出額としてはトップである日本産粉乳をはじめ、日本産品のブランド力がいまだに強い市場であるため今後も輸出量が増加することを期待します。

細かな数字はさておき、昨今の円安傾向により海外原料の高騰など日本の食市場においては逆風が吹いていますが、今回の発表を見て頂き「もしかすると海外向け輸出ってチャンスかも」と漠然とでも可能性を感じて頂けると幸いです。